ついに発表!4グループがデジタル銀行免許Get Singtel/Grab, SEA, Ant Group, Gleenland/Linklogis
先週金曜日2020年12月4日夕方に、ついにMonetary Authority of Singaporeより、4つのグループがデジタル銀行業務に関して認可されたとの発表がされました。
2つのカテゴリーにわかれていて、それぞれ2社づつ認可されました。
Digital Full Bankライセンスは、基本的に既存の銀行業務すべてをカバーするもの。
まず、認可を受けた2社のうち、Signtel & Grab連合は順当でしたね。認可が下りたらシンガポールの銀行市場の2-4%は開業年にカバーするのではともいわれてました。
Singtelはご存じのとおり、東南アジア最大の通信会社で、テマセックが過半数保有。Grabは東南アジア最大の配車サービスアプリ事業を展開し、現在最大のCompetitor GoJekと合併交渉中(ソフトバンクが両社のかなりのStakeを保有)。Singtelの株価は予想されていたとはいえ、認可ニュースを受けて今日はかなり上昇してますね。
こちらのコンソーシアムの持ち分内訳は、Glabが60%でSingtelが40%。2021年末までにはチームを整備し、2022年上半期には事業開始予定。元Citibankに勤めていたCharls WongさんをCEOで招き、200名新規採用中とのこと。消費者向けと中小企業向け了承カバーするようですね。
2社のうちもう一社は、シンガポールの1billionユニコーンクラブ筆頭のSEA Ltd。Shoppeeという電子商取引サイト、Garenaというゲーム開発運営事業を展開して、東南アジアで最も有名なインターネット企業。2017年にはNYSEに上場も果たし、創業者&CEO Forrest Lee さん(まだ43歳だと思います)は、シンガポール7番目のお金持ちで、EDBの取締役もしています。2020年 Singapore Business AwardsでBusiness Man of the Yearに選出されています(最高の賞)下記動画も参照してくださいね。
金曜日の株価も急伸しています。
一方で強力な新規参入を受ける既存メジャープレイヤー、DBS, OCBC, UOB3大銀行の株価は少し下がってますね。
シンガポールの1billion ユニコーンクラブのRazerは残念ながら落選してしまいましたね。残念ながら今日株価(香港市場に上場しています)下げています。
Digital Wholesales Bankライセンスは、事業者向け、特に中小企業向けの金融事業に限定したもの。認可を受けた2グループとも中国系。1つは皆さんご存じの、Alipayで有名なAnt Group。順当なるも、11月IPO延期など色々あったことから、少し心配されましたね。もう一つのグループが、中国のState Own Company、国営企業で、不動産デベロッパーのGleenland Groupが、AIベースのSupply Chain Financing会社linklogisの香港法人と組んで応募したコンソーシアム。下記2つの会社のホームぺージとなります。
Strait timesでは、今年1月にこのコンソーシアムを記事にしていまして、コンソーシアムのコメントをみてますと、認可を受けることへの自信がみえますね。
今回一番インパクトがあったのは、この会社ではないでしょうか。シンガポールでWealth Management事業を展開し、次のシンガポールの1 billionユニコーン企業に仲間入りが期待されているiFast Corportion。この会社は、今年3月から株価が5倍にもなった大化け企業です。しかし、今日はかなり株価が下がりましたね。当初Digital Wholesales Bankは3社選考といわれていたので、期待値が高かったようです。
ただ、下記記事にもありますように、MASは、Digital Wholesales Bankの2社はパイロットベースで、また追加で認可していくとのこと。こちらは、僕は、早い時期に認可される可能性が高いと思います。
ところで、最終選考に、1社だけ日本企業の名前がありました。
Digital Full Bankライセンスに応募したことらのグループです。 V3 Group, EZ-Link, Far East Organisation, Singapore Business Federation, Sumitomo Insurance Co Ltd and Heliconia Capital Management。三井住友海上さんのシンガポール法人でしょうか?
また、今年6月の最終選考リスト(shortlist)には落ちましたが丸紅さんがいらっしゃいましたね。丸紅さんは、(モンゴルから生まれた)シンガポールのfintech事業に最近投資し、Fintech積極的ですね。下記、以前にあげた動画になりますのでご参考まで。
Strait timesの記事に日本の状況も少しふれられていたので、日本のデジタル銀行(日本ではネット銀行というのですね)状況調べてみました。だいぶ前から認可されていて、下記ランキングの状況とのことですが、この分野では、楽天、ソフトバンク、Lineが圧倒するのかと思っていたのですが、IT企業が思ったより少ないなという印象がしました。
ここシンガポールで、今回のニュースがどうしてそんなにインパクトがあるかというと、(Digital Full Bankでいえば)Grab/SingatelとSeaという新規参入者が強力な点かと思いました。Grabは既に多くの人が携帯にアプリをダウンロードし、Grab Payというデジタルペイメントも使用。シンガポールの7割は携帯で銀行、支払い等を行っている。東南アジア展開も用意。そんな状況下では、Grabが圧倒的な優位性を誇っているのではと思ってしまいます。
Lineは、今年10月にタイで、カシコンバンクと組んで参入したようですね。今後日本、台湾、インドネシアでも展開とのこと。がんばってほしいです。
ブログ読んでいただきありがとうございました。
今日も皆さんにとっていい日になりますように。Good Day !!
Youtube版は下記となります!